仮想化技術



仮想化技術 基礎

仮想化技術とは 
 コンピュータにおける仮想化技術とは、コンピュータの資源を、物理構成に拠らず柔軟に分割したり統合したりするために、コンピュータそのもの、コンピュータの特定のリソースを仮想化(シミュレート)する技術をいう。

 コンピュータそのものを仮想化する技術は、
  • プラットフォーム仮想化※↓
と呼ばれる。

 これに対して、
コンピュータの特定のリソースを仮想化する技術は、
  • リソース仮想化※↓
と呼ばれる。

 プラットフォーム仮想化は、
リソース仮想化技術の上に成り立っている。

 そもそも、
プラットフォーム仮想化の技術はメインフレームで開発され発展してきた技術だったが、近年x86系プラットフォーム上での仮想化製品がサーバ向けとして導入できるレベルとなり、注目を集めている。

 このページとその配下のページは、
「プラットフォーム仮想化」の技術に関する情報をまとめる。


リソース仮想化とは
 リソース仮想化とは、コンピュータの特定のリソースを仮想化する技術をいう。
 リソース仮想化の技術として既に良く知られていものには、
  • プロセッサのタイムシェアリング、
  • 仮想メモリ、
  • ディスク仮想化(SAN, NAS, NFS, WebDAV など)、
  • 回線交換(TCP/IPなど)
などがある。
 また、コンピュータ資源の柔軟な分割・統合のためには、同じ目的のハードウェアが同じインタフェースを提供する必要があり、このための技術として良く知られているのは、
  • デバイスドライバ、
  • HAL (Hardware Abstract Layer : ハードウェア抽象化層)
    例:
    • Windows の Hardware Abstraction Layer、
    • FreeBSD、Linux の Hardware Abstract Layer、
    • IBM の System i シリーズの TIMI
などがある。


プラットフォーム仮想化とは
 プラットフォーム仮想化とは、コンピュータそのものを仮想化する技術をいう。
 仮想化したコンピュータは仮想マシンと呼ばれる事が多い。

 プラットフォーム仮想化には、以下の様な方式がある。
 中でもハイパーバイザ方式は、メインフレームでも使用される柔軟性の高い仮想化方式で、x86系サーバ上でのサーバ仮想化の手段として注目されている。

 ただし、メインフレームやミニコン・オフコンの仮想化は、ハイパーバイザ方式の仮想化の歴史も長く、ファームウェア・レベルの仮想化技術もあり、PCのプラットフォーム仮想化とは信頼性と効率には現在でもかなりの差があるらしい。

アプリケーションによる仮想化
(主な製品: VMware Workstation、VMware Player、VMware Server、Virtual PC)

 通常のOSの上で仮想化ソフト(仮想マシン環境を提供
するアプリケーション)を実行する方式。

 仮想化ソフトを実行する基盤となるOSをホストOSと呼び、ホストOSの上で実行される仮想マシン上のOSをゲストOSと呼ぶ。
 現在、パソコンの環境で最も接する機会の多いプラットフォーム仮想化の方式。

ハイパーバイザーによる仮想化
(主な製品: VMware Infrastructure、Citrix XenServer、Virtual Iron )

 
OSに頼らずに直接ハードウェア上で走る、仮想環境を提供するためだけのソフトウェア=ハイパーバイザ(あるいは仮想マシンモニタと呼ばれる)を実行し、その仮想環境の上で仮想マシンを走らせるプラットフォーム仮想化の方式。

 
メインフレームや、ミニコン・オフコン、ワークステーションの仮想化では、この仮想化方式が使われている。

 ホストOSを必要とせず、ハードウェアと仮想マシンの間にOSが入る事が無いため、「アプリケーションによる仮想化」に比べてオーバヘッドが小さい。

 また、柔軟性が高く
、仮想マシンが動作している状態で、実行する物理的なマシンを変更する事も可能。

 Xen については、2007年には、Metaframe(現在の後継製品名はCirix Presentation Server)の製造・販売元として知られるCitrix社がXenSource社を買収し話題となった。

仮想OS
(主な製品: User Mode Linux, Virtuozzo, OpenVZ(Virtuozzo のオープンソース版) )

 1つのOSカーネルを共有する
複数の仮想マシン(仮想OS)を動作させるプラットフォーム仮想化の方式。

 「ハイパーバイザーによる仮想化」と同様に、ハードウェアと仮想OSの間にホストOSが入る事がないため、「アプリケーションによる仮想化」にくらべて仮想化のオーバヘッドが小さい。

 また、仮想マシンの数が多くなった場合、OSのカーネルが1つであるため、
仮想マシン1台当りのオーバヘッドは「ハイパーバイザーによる仮想化」に比べても小さくなる。

 欠点としては、同時に実行出来るOSは1種類のみとなる事がある。

 以上の特徴から、メタフレームと同様の仮想マシンの集中管理目的には向いているが、レガシーマイグレーションの用途には使えない。

ファームウェアによる仮想化
(主な製品: IBM LPAR, HP vPars )

 ファームウェアで、ハードウェアを論理的に複数の仮想マシンに分割する方式。

 当然(?)パソコン向けの製品は無くメインフレームやミニコン・オフコン、ワークステーションのハードウェア向け。

 ファームウェアによる仮想化では、仮想化のためにプロセッサの時間を使用しないので他のプラットフォーム仮想化の方式にくらべて仮想化のオーバヘッドが小さいという利点がある。

 しかし、CPUはソケット単位、デバイスはPCIスロット単位でゲストOSに割り当てないとならないなどの制限があるらしい。



参考情報
 



仮想化技術リンク集



 



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